早産・低体重児出産と歯周病
妊娠するとホルモンが大きく変化し、唾液の分泌量が低下します。つわりが起こり、食べ物に対する嗜好が変化すると歯周病が生じやすく、また進行しやすくなります。同時に、妊娠中はさまざまな理由から歯科受診がおろそかになりがちです。しかしながら、妊娠中に歯周病が生じると出産に悪影響が生じる恐れがあるのです。

歯周病に罹患した妊婦は、早産や低体重児出産のリスクが高まるとされています。妊娠37週~42週未満での出産が正規出産で、22週~37週未満が早産です。正常体重児は2,500g~4,000gで、2,500g未満で生まれると低体重児となります。

妊娠から出産に至る過程を通して、ホルモンバランスが次々に変化していきます。歯周病菌が血流に乗って胎盤に到達したり、歯周病により産生される炎症性物質が子宮に入ること、また歯周病に対する免疫反応が変化することにより、ホルモンバランスが崩れて妊娠に悪影響を与える可能性があると考えられています。

Teshome, Amare, and Asmare Yitayeh. “Relationship between periodontal disease and preterm low birth weight: systematic review.” Pan African Medical Journal 24.1 (2016).
Manrique‐Corredor, E. J., Orozco‐Beltran, D., Lopez‐Pineda, A., Quesada, J. A., Gil‐Guillen, V. F., & Carratala‐Munuera, C. (2019). Maternal periodontitis and preterm birth: Systematic review and meta‐analysis. Community dentistry and oral epidemiology, 47(3), 243-251.

アンメット・メディカルニーズ

シェーグレン症候群を治す方法は今のところありません。ドライマウスやドライアイに対して、症状を緩和する方法があるのみです。このような状況でどのような医療ニーズがあるかを解説したWEBセミナーを受けました。

講師は浜松医科大学第三内科小川法良教授でした。医療ニーズとして、『シェーグレン白書2020』の内容を紹介されました。シェーグレン症候群患者の会が276人分のアンケート結果をまとめたものです。
アンメット・メディカルニーズ

サホライドを塗布され黒く色素沈着しました

歯が染みる為、クリニックを利用。何の説明も無く永久歯にサホライドを塗布され黒く色素沈着した。歯の内部に悪影響があるなら、削って被せる必要がありますか?
なるべく削りたくはないのですが、歯髄に負担がかかるなら治療したいと思っています。虫歯の診断は出されておらず、知覚過敏だと言われ塗布されました。回答お願いします。

回答
サホライドは38%フッ化ジアンミン銀を主成分とした塗り薬です。虫歯ができている歯にサホライドを塗布するとリン酸銀とフッ化カルシウムが産生され、虫歯の進行が抑制されることから、虫歯を削って治す必要がなくなる可能性があります。
従って、ご質問のようにサホライド塗布した部分を削る必要性が上がることはなく、できるだけ歯を削ることを避けられるのがサホライドの利点といえます。
一方、虫歯にサホライドを塗布すると黒く変色し、見た目が悪くなるという欠点もあるため、歯を削ったり、詰めたりかぶせたりする場合もあります。

謝辞
返信いただきありがとうございます。色素沈着が歯に負担になったらどうしようと思いましたが、奥歯なので削らずこのまま様子を見ようと思いました。心配になっていたところ、即、回答いただけて感謝しています。

雑誌掲載

PHP研究所が発行している健康情報誌『PHPからだスマイル』2021年6月号に噛みしめ呑気症候群に関する記事が掲載されました。いつもだと担当編集者の方が医院に来られて、打ち合わせをします。コロナ禍のため、今回はメールとZOOMでのやり取りのみで記事が完成しました。

6月にWEB開催される日本口臭学会第12回学術大会でも、嚙みしめ吞気症候群について発表する予定です。発表用のスライド原稿を用意し、音声を吹き込んで大会事務局に送る予定です。

雑誌掲載

雑誌掲載

口腔内科疾患に対する内部感覚暴露

舌痛症や口腔異常感症、口臭症に対しても、内部感覚暴露は効果が期待できそうです。舌痛症や口腔異常感症では、歯の膨らみを執拗に気にする患者さんがいます。歯科医は何とかしようと思って歯を削って丸めたりするのですが、一向に改善しません。逆に歯を膨らましてやれば、内部感覚暴露になりそうです。

口腔内科疾患に対する内部感覚暴露

内部感覚暴露を用いた認知行動療法

過敏性腸症候群(IBS)に対する認知行動療法が紹介されています。以下の6段階の手順で進めていきます。

1.心理教育と症状のモニタリング
2.注意トレーニング
3.認知再構成
4.現実暴露
5.内部感覚暴露
6.再発予防

現実暴露とはIBS症状を維持させる要因となる安全行動や安全信号を中止させ、不安と向き合うようにすることです。これに対して内部感覚暴露とは腸に刺激を加えてお腹の不快感や痛みを引き起こし、その状況を患者に直面させることです。現実暴露では行動や思考を、内部感覚暴露では身体感覚を取り扱うことになります。
内部感覚暴露を用いた認知行動療法

歯の根元が折れて口臭がひどい

相談: (29歳 女性)
銀歯で覆われた奥歯から膿が出ています。その為口臭がひどくて悩んでいます。1年ほど前、診察した歯医者では根元が折れているのが原因だと言われました。歯の被せを取るのは大変だからと、とりあえず保留のまま引っ越しをしてしまい、その歯医者には行かなくなりました。

出来れば治療したいです。治療法や費用など分かる範囲で結構ですので、教えていただきたいです。よろしくお願いします。

回答:口腔内科 樋口均也
臼歯の根元が折れている場合の治療は難しいでしょう。通常は抜歯後、ブリッジか入れ歯を作って入れることになります。下の大臼歯は前後に2本の根に分かれていることが多いため、折れていない根は残せるかもしれませんが、その場合もブリッジか入れ歯を作って入れることになります。

治療費については明言できませんが、3割負担の保険診療で1~2万円くらいでしょう。

痛みと運動

運動のやり方によって、痛みを悪化させることも改善することもあります。適切な運動を行うことにより、運動誘発性鎮痛(exercise-induced hypoalgesia:EIH)が誘導されます。一方で、痛みがあるのに高強度の運動をすると痛覚過敏が生じ、運動誘発性鎮痛を妨げます。高強度な運動は避けるために、1回の運動時間を短くして1日の運動頻度を増やします。運動を始めて1か月で鎮痛効果が確認でき、2か月目に最大の効果がみられます。

Goh, Siew-Li, et al. “Efficacy and potential determinants of exercise therapy in knee and hip osteoarthritis: a systematic review and meta-analysis.” Annals of physical and rehabilitation medicine 62.5 (2019): 356-365.Goh, Siew-Li, et al. “Efficacy and potential determinants of exercise therapy in knee and hip osteoarthritis: a systematic review and meta-analysis.” Annals of physical and rehabilitation medicine 62.5 (2019): 356-365.

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1877065719300624

痛みと運動

血豆がつぶれた後に痛みが続いています

5日前に春巻きの皮が舌の裏に引っかかり、大きい血豆が出来てしまい数時間後に皮を噛んでしまい潰れました。皮はめくれておらずくっついて治ってきているのですが、白くなっています。水や何もしていなくてもビリビリ、ズキズキした激痛があり涙が出てくるほどです。今までに血豆は経験がありいつも数日後から激痛で辛いです。ひどい貧血があり粘膜が薄いのも関係あるかも知れません。
口内炎の塗り薬はきかず痛み止めは何を飲めばいいのですか?また早く傷を治す方法がありましたら教えて頂きたいです。よろしくお願いいたします。

回答:口腔内科 樋口均也
傷の治癒を待つ以外に有効な方法があるかどうかは不明ですが、アズレンスルホン酸ナトリウムといううがい薬は口内炎などの痛みを和らげる効果があり、傷の治りが多少早くなるという印象もあります。
痛み止めの内服薬ではロキソニン、ボルタレンといった非ステロイド性消炎鎮痛剤が一番強力な薬ですが、胃腸が弱い場合は通常セレコックスやカロナールなどの痛み止めを使用します。

顎列部骨移植術

唇顎口蓋裂に対しては幼少時に口唇閉鎖術、口蓋閉鎖術を行います。しかし、口唇裂と口蓋裂の間の顎列の部分(歯が並ぶ部分の裂隙)があり、口と鼻が交通した状態が残ります。9歳頃になるのを待って骨盤の一部である腸骨から海綿骨を採取し、顎列部に移植します。この手術により骨や粘膜の裂隙が消失し、骨移植部から埋伏していた犬歯が萌出してきます。

大阪大学歯学部では十数年前から下顎骨のオトガイ部から採取するように術式を変更しています。腸骨採取に伴う後遺症を避けるためです。腸骨と比べてオトガイ部からの骨採取は骨量が限られます。それを補うためにβーリン酸三カルシウム(β―TCP)を混ぜて使います。

骨量、骨梁幅、骨梁数、骨梁間隙、骨梁パターン因子、構造モデル指標、フラクタル次元をCT画像から分析しました。オトガイ骨とβ―TCPの移植は腸骨移植と比べて遜色がない結果を示しました。