うつ病と舌痛症の併発

相談: (30歳 女性)

56歳の母の事で質問させてください。6年ほど前からうつ病を患っており、3年前に舌痛症と診断されました。何軒か病院を訪ねましたが、今、うつ病の薬を飲んでいるため治療方法がないと言われ今に至ります。なんとか痛みを取ってあげたいのですが、うつ病と舌痛症を併発している場合は治療方法はないのでしょうか。宜しくお願いします。

回答:口腔内科 樋口均也

舌痛症の治療薬には抗うつ剤も含まれますが、他に鎮痛剤や抗けいれん薬、亜鉛製剤、ビタミン剤、漢方薬、麻酔薬、抗真菌剤など、さまざまな種類があります。従って、うつ病で抗うつ剤を服用中であっても、舌痛症に対する治療手段はいくつもあります。

抗うつ薬を飲まれているということですが、現在多く使用されているSSRI(デプロメール、ルボックス、ジェイゾロフト、パキシル)は痛みを抑える働きが弱い薬剤です。最も鎮痛作用が強いのは三環系抗うつ薬で、四環系抗うつ薬、SNRI、NaSSAも痛みを抑える働きがあります。SSRIを服用されている場合は、他の抗うつ薬に変更することも併せて、一度ご相談されてはいかがでしょうか。

暁星学園

フィリピン大使館の周囲には制服を着た高校生や中学生が行き交っていました。学校の正門に回り込んでみるとマリア像が目立っていました。暁星学園は幼稚園から高校まであるカトリックの私立校です。サッカーでは有名な学校のようです。

さて、気になったマリア像についてですが、学園のホームページには「マリア像」とだけ書かれています。マリア像といえばマリア様が一人で立っている像を思い浮かべますが、この像は違います。後方の女性の前に少女か少年が立っていて、聖母子像のように見えます。前方の少年がイエス様でしょうか。前方の少女がマリア様でしょうか。

SLE(全身性紅斑性狼瘡)

自己免疫疾患の一つで皮膚、粘膜、関節、腎臓、心臓、消化器などが自分のリンパ球によって障害され、顔面の蝶形紅斑、光線過敏症、無痛性口腔潰瘍、関節炎、胸膜炎や心包炎、ループス腎炎、精神症状、溶血性貧血や他の血球減少などの症状が現れる病気です。

熱毒熾盛症
升麻鼈甲湯で清熱解毒・涼血護陰します。

肝鬱血瘀症
四逆散合血府逐瘀湯で疏肝解鬱・活血袪瘀します。

気陰両虚証
腎帰丸合生脈散で益気養陰します。

陰虚内熱証
腎帰丸合二志丸で清熱解毒・養陰透邪します。

脾腎陽虚症
真武湯合五苓散で温陽利水します。

口臭症患者の気分 

3年前はSDSとSTAI、昨年はTEG-Ⅱ、今年はPOMSと、心理テスト(自己記入式尺度)の結果を集計して発表しました。POMS(気分プロフィール検査)は「緊張―不安」「抑うつ」「怒り―敵意」「活気」「疲労」「混乱」の6つの気分を測定することができます。口臭治療の前後でPOMSがどのように変動するかを調べました。

結果ですが、予想通りのものでした。「緊張―不安」「抑うつ」「怒り―敵意」「疲労」「混乱」のよろしくない5つの気分はいずれも治療後に軽くなっていました。事前に記入してもらった生活調査票の備考欄には「緊張―不安」に関する記載が過半数を占めましたが、POMSの結果は「緊張―不安」が他の気分より高いということはありませんでした。口臭症患者にとって、どうやら「緊張―不安」は言語化されやすい気分のようです。「抑うつ」「怒り―敵意」「疲労」「混乱」は記載が少ない割にPOMSの点数が高く、患者さん自身が意識していない気分なのかもしれません。

口臭疾患者の気分

口臭疾患者の気分

痛みへの対応

痛みは末梢から脊髄を通って脳に入りますが、どこかでブロックすれば痛みを抑えることができます。

①痛みの原因となるできごとへの対策
・刺す、切る、捻る、挟む、圧迫する、打つ、引っ掻くに対して、逃げたり予防したりする
・発痛物質の産生をNSAIDsで抑える
・内臓痛に対して、圧迫や虚血を解除したり、鎮痙剤を用いたりする
・筋緊張に対して理学療法、局所麻酔薬、漢方薬、筋弛緩剤、鍼灸を用いる
②1次ニューロンや2次ニューロンの伝達、シナップス伝達を局所麻酔薬、抗てんかん薬で抑制する
③シナップス伝達を局所麻酔薬、オピオイド、トラマドール、タベンタドール、プレガバリン、三環系抗うつ薬、SNRI、NSAIDs、NMDA受容体阻害薬で抑制する
④下降抑制系をオピオイド、トラマドール、タベンタドール、アセトアミノフェン、三環系抗うつ薬、SNRI、ノイロトロピンで強化する
⑤大脳辺縁系での不快感の発生を抗不安薬で和らげる
⑥脊髄の交感神経細胞を交感神経ブロックで抑える

痛みが伝わる経路

手足や内臓など身体のどこか(末梢)で生じた痛みは、脊髄などを通って最終的に脳に伝わり痛みとして感じます。脳に伝わった痛みに対し、脳が脊髄後角で痛みを伝える働きを鈍くする働きを下降抑制系といいます。痛みが伝わる経路をもう少し詳しくまとめてみます。

① 痛みの原因となるできごと
刺す、切る、捻る、挟む、圧迫する、打つ、引っ掻く
寒、熱
発痛物質
筋緊張
内臓痛(圧迫、収縮、拡張、閉塞、虚血)
②痛み刺激の発生
③起動電位の発生
④活動電位の発生
⑤1次ニューロンを上行
⑥脊髄後角でシナップス伝達
⑦2次ニューロンで活動電位が発生し、脊髄を上行
⑧視床を経由して大脳皮質体性感覚野に入り、痛みを感知します。
視床から脳幹を経由し、大脳辺縁系に入ると不快感が発生します。
視床から視床下部を通り大脳辺縁系に入る経路もあります。

NMDA受容体

痛みが長引いたり、強くなったり、頻回になる理由の一つがNMDA受容体の開口です。NMDA受容体は2次ニューロンにあり、通常はMgイオンでフタをされていますが、NMDA受容体にリンが結合し、さらにグルタミン酸と結合するとMgイオンが外れてNMDA受容体が開口します。

痛み刺激が持続すると1次ニューロンからサブスタンスPが放出され、2次ニューロンのNK-1受容体を活性化します。次にリン酸化酵素(Cキナーゼ)が活性化され、NMDA受容体がリン酸化し、ここへ1次ニューロンから放出されたグルタミン酸が結合してNMDA受容体が開口するのです。

NMDA受容体が開口すると、ナトリウムイオンやカルシウムイオンが細胞内に流入します。ナトリウムイオンの流入は膜電位を上昇させて痛みを伝え、カルシウムイオンはナトリウムチャンネルやカリウムチャンネルを開き、同様に膜電位を上昇させます。カルシウムイオンの増加はNOの増加につながり、NOはグリア細胞に拡散して発痛物質を産生させ、1次ニューロンからの神経伝達物質の放出を促進します。こうして痛み刺激が伝わり続けることになるのです。

口の中の頬の内側に血の塊ができる

相談: (40歳 女性)

3年前から口の中の頬の内側に血の塊ができるようになりました。できてはしばらくすると消えていくのですが、最近はそのできる回数が増えてきました。これは、いったいなんなのでしょうか。教えてください。

回答:口腔内科 樋口均也

頬粘膜が何らかの理由で繰り返し膨らむようですが、理由として以下の三つが考えられます。
1.歯ぎしりなどで頬粘膜が繰り返し傷つき、血豆(血腫)ができている。

2.頬粘膜にある唾液腺が傷つき、粘液のう胞が生じてはつぶれるということを繰り返している。

3.血管腫などの腫瘍のために頬粘膜が膨らみ、噛んで傷付きやすい状態になっている。

歯科や口腔外科、耳鼻咽喉科で診察を受けられることをお勧めします。

メープルもみじフィナンシェ

広島に帰省していたスタッフからお土産をいただきました。
砂糖楓の樹液からつくられるメープルシュガーを使用したフィナンシェだそうです。甘くてサクサクしっとり美味しかったです。ありがとうございました。
広島土産

口臭学会の歩み

学会創設10周年を記念するシンポジウム「温故知新」が開催されました。東京歯科大学の角田正健教授は1970年代から口臭研究を続けてきた草分け的存在です。口臭ガスが揮発性硫黄化合物であることがわかった時代に硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルスルファイドの定性分析に成功した話などをされました。

 

ほんだ歯科の本田俊一先生は口臭に関する学会が日本呼気病態生化学研究会しかなかった時代に、この研究会の仲間を集めて2005年に口鼻臭研究会を発足させました。発足メンバーには歯科、耳鼻咽喉科、精神科医師と工学者が集まりました。私もこの年に大阪で開かれた準備大会に参加しました。2010年にこの研究会が学会に昇格し、日本学術会議協力学術団体が指定する日本口臭学会が発足しました。

口臭学会の歩み