ドライマウスに対する核酸医薬

低分子のDNAやRNA(オリゴ核酸)を利用した薬を核酸医薬といいます。アンチセンス、siRNA、miRNA、デコイ核酸、アプタマー、CpGオリゴ、リボザイムといったものです。製品化されたものはまだ9つしかありませんが、今後多くの薬品が世に出てくるはずです。

第3相の治験中のtivanisiranはSylentis社が開発したsiRNAでドライアイ症候群の治療薬です。同社のホームページを見ると

Tivanisiran is a chemically synthesized small interference RNA (siRNA) inhibitor of the Transient Receptor Potential Vanilloid-1 (TRPV1) formulated as eye drops.

とあります。TRPV1は口腔粘膜にも発現している温度感受性TRPチャンネルです。ドライマウスにもtivanisiranが効きそうです。

下降抑制系(痛みに関する理論)

痛みを抑える仕組み
末梢からの痛み刺激に対し、中枢から痛みを抑えて感じにくくする働きを下降抑制系といいます。下降抑制系は脊髄後角や三叉神経節などで1次ニューロンから2次ニューロンへの痛みの伝達を抑制します。

脳や脳幹から脊髄後角や三叉神経節のシナプスに降りてくる抑制性ニューロンや、抑制性介在ニューロンから神経伝達物質が放出されます。内因性の鎮痛物質であるノルアドレナリン、セロトニン、エンケファリン、GABA、グリシンなどが1次ニューロンからの神経伝達物質の放出を抑制し、2次ニューロンでの活動電位の発生を抑えます。

セロトニン
自由神経終末にあるセロトニン受容体に抑制性介在ニューロンから放出されたセロトニン(5-HT)が結合すると痛みが生じます。従って、末梢ではセロトニンは発痛物質となります。一方、脊髄後角のシナプスではセロトニンは痛みを抑える働きをします。

1次ニューロンの神経終末部に存在する5-HT1受容体にセロトニンが結合すると、サイクリックAMPやリン酸化酵素の働きが抑制されます。するとリンが付くと閉じてしまうカリウムチャンネルが開き、カリウムイオンが放出されて膜電位が低下し、最終的にはグルタミン酸やサブスタンスPの放出が抑制されます。

2次ニューロンでも同様の反応が生じ、カリウムチャンネルが開くことで活動電位の発生が抑えられます。さらにセロトニンは抑制性介在ニューロンの5-HT 3受容体に結合し、GABAやグリシンの放出を促進します。これらの働きにより、セロトニンは鎮痛効果を発揮します。

ノルアドレナリン
1次ニューロンの神経終末部に存在するノルアドレナリンα2受容体に抑制性介在ニューロンから放出されたノルアドレナリンが結合すると、サイクリックAMPやリン酸化酵素の働きが抑制されます。するとリンが付くと閉じてしまうカリウムチャンネルが開き、カリウムイオンが放出されて膜電位が低下し、最終的にはグルタミン酸やサブスタンスPの放出が抑制されます。

2次ニューロンでも同様の反応が生じ、カリウムチャンネルが開くことで活動電位の発生が抑えられます。さらにノルアドレナリンは抑制性介在ニューロンのノルアドレナリンα1受容体に結合し、GABAやグリシンの放出を促進します。これらの働きにより、ノルアドレナリンは鎮痛効果を発揮します。

GABA
抑制性介在ニューロンから放出されるγ-アミノ酪酸(GABA)がシナプス前の1次ニューロンのGABAB受容体と結合すると、サイクリックAMPやリン酸化酵素の働きが抑制されます。するとリンが付くと閉じてしまうカリウムチャンネルが開き、カリウムイオンが放出されて膜電位が低下します。最終的にはグルタミン酸やサブスタンスPの放出が抑制されます。

GABAがシナプス後のGABAA受容体と結合すると塩素イオンが細胞内に流入し、膜電位が低下して活動電位の発生を抑制します。これらの働きにより、GABAは鎮痛効果を発揮します。

スミレ

宝塚クラシックゴルフ倶楽部で咲いていました。菫の花は5枚の花びらの内、舌側の1枚型よりも大きくなっています。左右の花びらは側弁といい、白い毛が生えています。

 

スミレ

日絹会館

九段下を散策していると日絹会館なる建物の前を通り掛かりました。絹産業の建物らしいので調べてみると、日本絹人繊織物工業会の本拠地で、この団体は線維メーカーの全国組織です。

http://www.kinujinsen.com/

日絹会館

焼きかにせんべい

旅行にいったスタッフからお土産をいただきました。焼きがにのような香ばしい風味と味がしっかりついていて美味しかったです。ありがとうございました。
焼きかにせんべい

ゲートコントロール(痛みに関する理論)

末梢で生じた痛みは脊髄後角や三叉神経節などのシナプスを介して脳に伝わります。シナプスには痛みの伝達を強めたり弱めたりする働きがあり、これをゲートコントロールといいます。

ゲートコントロールの門番をしているのは脊髄後角に存在するSG細胞と下降抑制系の抑制性ニューロンです。脊髄後角の膠様質(substantia gelatinosa:SG)のSG細胞は抑制性介在ニューロンとしての役割を担っています。このSG細胞は触角を伝える太い神経線維であるAβ線維の他、痛みを伝える細い神経線維であるAδ線維、C線維ともつながっています。

通常の状態では太い神経線維であるAβ線維が自動発火し、ゲートを閉じる命令がSG細胞に出ますが、痛みによる刺激が加わると細い神経線維であるAδ線維、C線維からのゲートを開ける命令が強くなり、ゲートが開いて痛みが伝わります。

痛みの刺激が加わっている際、痛んでいる部分をさすると触角を伝える太い神経線維であるAβ線維が積極的に発火し、ゲートを閉じる命令が強くなります。その結果、痛みが抑えられるのが「痛いの痛いの飛んでいけー」とさすることに効果がある理由です。

外傷や手術、帯状疱疹などで太いAβ線維が障害を受けると、Aβ線維の自動発火による閉じる命令が入らなくなり、痛みの刺激がない状態でもAδ線維、C線維の自動発火により開く命令が出て痛みが持続します。

医療面接の達人

教育講演の講師はNPO法人健康と病の語り DIPEx-Japanの中村千賀子先生でした。中村先生は東京医科歯科大学で長年カウンセリングを研究されていました。講演の中で強調されたのは医療面接時に患者に対して治療者が取る態度についてです。

1.    解釈的態度(教示的態度)
2.    評価的態度
3.    調査的態度
4.    支持的態度
5.    理解的態度 相手をそのまま理解すること態度が大事です。
受容的態度と許容的態度

医療面接の達人

中枢感作(痛みに関する理論)

いつまでも続く痛み
末梢では痛みの原因となるような刺激がなくても、痛みを感じ続ける状態を中枢感作といいます。痛みのない刺激を「痛い」と感じるアロディニアや、弱い痛みを強く感じるハイパーアルゲジアなどは中枢感作が原因で生じるものです。痛み刺激を繰り返し受けた際に痛みが徐々に強くなったり、痛みがいつまでも治まらないのは中枢感作されていることが原因です。

中枢感作は痛み以外の感覚、例えば痒みや冷え、灼熱感、痺れ、違和感などもあります。舌痛症や口腔灼熱症候群でもこのように多様な症状が持続し、口の中を虫が這いずるような感覚がする口腔セネストパチーも中枢感作が原因で生じます。

中枢感作の舞台
脳と脊髄を中枢神経、それ以外の神経を末梢神経といいます。中枢感作はその言葉から中枢神経で生じているように思えますが、実はそうではありません。脊髄の側には脊髄と交通する脊髄神経(末梢神経)が走行し、その間は前根と後根でつながっていますが、後根にあるシナプスで中枢感作が生じています。従って、中枢感作は末梢神経で生じているのです。

四肢や内臓の感覚、運動を司る神経は脊髄神経を介して脊髄と交通しますが、頭頸部の感覚や運動を司る神経は脊髄を通さず中脳、橋、延髄などの脳幹に直接入ります。口腔・顔面の感覚を司る三叉神経を例にとると、三叉神経節がシナプスでその後は橋に入ります。中枢感作は三叉神経節で起こるため、やはり末梢神経で生じていることになります。

中枢感作のメカニズム
なぜ脊髄後根のシナプスで中枢感作が生じるのでしょうか。それはシナプス間で痛み刺激が伝わりやすくなったり、新たなルートができたり、あるいは下降抑制系の働きが抑えられたりするからです。そのメカニズムは以下の5通りがあります。

1次ニューロンからの神経伝達物質の放出亢進
2次ニューロンの過敏状態と感受性変化
新たな解剖学的ルートの出現
グリア細胞の活性化
抑制性介在ニューロンの脱抑制

アロディニア
触れただけで痛みを感じる現象をアロディニアといいます。アロディニアが発生するメカニズムには末梢感作と中枢感作があります。けがや手術で体に傷が付くと多量の炎症物質(発痛物質)が産生され、痛みが伝わりやすくなるのが末梢感作です。

痛みが持続すると、引き続き脊髄後角や三叉神経節などのシナプスで中枢感作が生じます。痛みを伝える神経線維はAδ線維やC線維ですが、触覚を伝えるAβ線維が発芽して2次ニューロンにある痛み専用ニューロンに接続してしまうと、触刺激が痛み刺激に変化してしまいます。これを中枢感作によるアロディニアといいます。

グリア細胞
中枢神経系にはニューロンとニューロンの間を埋めるようにグリア細胞(神経膠細胞)が存在しています。グリア細胞にはミクログリア、アストログリア、オリゴデンドログリアなどがあり、それぞれが神経伝達に関与しています。

例えばミクログリアは神経障害、感染、強い侵害刺激によって活性化され、各種の炎症物質を放出します。ミクログリアから放出されるTNFα、IL-1β、IL-6、NO、ATP、プロスタグランジンなどは1次ニューロンからのグルタミン酸やサブスタンスPなど痛みの神経伝達物質の放出を促進し、2次ニューロンの膜電位を上げます。

NSAIDs

鎮痛剤
非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDs)は、炎症を抑えることにより痛みを軽減します。NSAIDsが働くのはアラキドン酸がシクロオキシゲナーゼに結合し、発痛物質であるプロスタグランジンEが産生される部分です。シクロオキシゲナーゼの働きを抑えてプロスタグランジンEの産生を抑制することで、最終的にはNaイオンがニューロン内に流入し、結果として活動電位の発生を抑えて鎮痛効果を発揮します。

シクロオキシゲナーゼ
細胞内の小胞体や拡散に結合して存在するシクロオキシゲナーゼの内部にアラキドン酸が入り込み、酵素活性部位に結合します。その結果、プロスタグランジンEが産生されて痛みが伝わります。シクロオキシゲナーゼには1型(COX-1)と2型(COX-2)があり、COX-1は腎臓や胃粘膜を保護するプロスタグランジンEを常時産生する一方、COX-2は炎症時にプロスタグランジンEを産生し、痛みにつながります。

アスピリン
1899年にドイツのバイエル社がアスピリン(薬剤名:アセチルサリチル酸)を発売しました。アスピリンは世界で初めて人工合成された医薬品で、鎮痛剤の代名詞として世界中で使用されてきました。

アスピリンはCOX-1、COX-2内部のそれぞれの活性中心に結合し、一度結合すれば再び離れることがない「非可逆的」な鎮痛剤です。アスピリンが結合しているとアラキドン酸が活性中心に結合できなくなり、プロスタグランジンEが産生されなくなるため、痛みの発生が非可逆的に抑えられます。

ポンタール
アスピリンはシクロオキシゲナーゼ(COX)の活性中心に非可逆的に結合しますが、ポンタール(薬品名:メフェナム酸)は可逆的に結合します。そのため、多量のアラキドン酸がCOXの中に入ってくるとポンタールとの競合に勝利し、アラキドン酸によるプロスタグランジンE産生が進みます。

ボルタレン
シクロオキシゲナーゼ(COX)内部のアルギニンにボルタレン(薬剤名:ジクロフェナック)が結合し、架橋構造を形成します。このバリアによってアラキドン酸がCOXの活性中心に近づけなくなり、プロスタグランジンEの産生が抑えられます

セレコックス
COX-2選択的阻害剤であるセレコックス(薬剤名:セレコキシブ)は、NSAIDsが持つ腎障害や胃腸障害が生じにくい鎮痛剤です。シクロオキシゲナーゼには1型(COX-1)と2型(COX-2)があり、COX-2と比べるとCOX-1は入り口が狭くセレコックスが中に入れないため、COX-1が腎臓や胃粘膜を保護するためにアラキドン酸によるプロスタグランジンEの産生を妨ぐことができません。一方入り口が大きいCOX-2の中には入ることができ、炎症時にアラキドン酸がプロスタグランジンEの産生をブロックし、痛みの発生を抑えてくれるのです。

東チモール大使館

小学校の高学年の頃から国際政治に興味を持ち、この頃は丹念に新聞の国際蘭を読んでいました。当時の話題はポルトガルのカーネーション革命(1974年)、スペインのフランコ総統死去と王政復古でした。

ポルトガルの革命は植民地の独立につながりました。アフリカのアンゴラ、モザンビーク、ギニアビサウ、カボベルデ、サントメ・プリンシペ、アジアの東チモールが誕生し、各国で内戦などが勃発しました。

口臭学会の会場である日本歯科大学の隣に東チモール大使館が建っていました。普通の民家という造りで表札もないので大使館とはわかりにくいのですが、外交官ナンバーの車が2台停まっているのでそれとわかりました。

 

東チモール大使館

東チモール大使館