さまざまな可能性を持つ皆さんへ

岸野万伸先生は長年大阪大学歯学部に残っていましたが、2016年に退職しました。現在は歯科・内科・外科・整形外科・リハビリテーション科・放射線科からなる平成野田クリニック(大阪市)の院長です。

岸野先生は私の1学年後輩で大学卒業後、歯学部附属病院検査部に入局しました。検査部では病理検査は歯科医師が行い、血液、尿、微生物などの検査は臨床検査技師が行っています。病理検査ができるようになるために、卒後1年間は大阪大学医学部附属病院病理診断科で病理診断と病理解剖の研修を受け、全身の病気に強くなったとのことです。

その後、歯学部附属病院検査部に戻って病理診断を続け、口腔病理専門医の資格を取得しました。口腔病理の中でも細胞診を専門とし、検体採取の方法やその普及を模索しています。細胞診専門医ともなり、日本臨床細胞学会でも活動しています。現在は口腔がん検診と老人ホームへの訪問診療に力を入れて診療しているとのことです。

「人との出会いは大切に」
「自分自身はこれ、というものを見つけましょう」

https://heisei-noda.com/medical/dentistry/carepolicy/

口やのどの乾燥、粘膜の不調、膿栓

相談:(37歳 女性)

口腔内のことに関することで、御相談です。私は、19歳の時、歯が着色していたため、前歯を12本、見える部分のみ、保険外の義歯にしました。受験直後で、体が疲れていたところに無理やりしたため、歯茎の状態が良くないところに、義歯にして、歯周病になり、2年後、違う歯科医院で、歯茎の治療も兼ねて、再度義歯を入れ替えざるをえなくなりました。それから、ちゃんと通院して、歯石除去などしてもらっていればよかったのですが、何も説明されないままの治療に、恐怖をいだき、それから数年歯科にいかずじまいでした。歯周病は、歯磨きを毎日するだけでは不十分で、その後、仕事について、歯茎の状態が急激に悪くなり、右奥歯がぐらついてきたので、やむなく歯科へいき、右下奥歯は失うことに。それから定期的にメインテナンスにいっておりましたが、あまり何も言わない歯科の先生でしたので、新しくできた歯科に移ることにしました。それが28歳の時で第1子を産んだあとでした。次に第2子を32歳で産み、その後35歳まで定期的にメインテナンスに通院しておりましたが、保険外の義歯でもあまり高いものではないものをいれていたので、口の状態がただれたような感じで、すごく不快感をかんじておりました。第1子を産んだあとも咳が自分で気にはなっておりましたが、第2子を産んで1年8か月後くらいにかかったインフルエンザでは、肺炎になったりして、おそらく口の中の状態が悪いためだと自分で感じておりました。

それから、次の年の夏ごろ、前歯も、歯間が開いてきて、発音などに問題がでるようになってきたので、思い切って、前歯だけでもセラミックのものに変えてもらうことにしました。今から2年前の夏ごろのことです。私は、前歯のみのはずが、歯並びも改善できればとか院長先生が言われて、3本ずつつないだ状態で、奥歯まで、全体をかぶせてしまわれました。この治療後、口の中の菌ケン環境が変わったためと思いますが、まず、その年の冬にひいた風邪では、真っ黒い痰がでて、咳と痰から、10日間声がでなくなる状態になりました。それから、なぜか、気道が狭くなり、呼吸がくるしくなって、病院にかけこみ、2度、酸素吸入をしてもらいました。

それから、口の奥の唾液の分泌がほとんどといってよいくらいなくなり、夜中、寝ている間に口中が乾燥するので、マスクをして寝たりしておりました。また、体温の低下に夜中目覚めるようになり、夜中、寒気がして、目覚め、体温を測ると35度台前半で、体がおかしくなっているとおもっていました。発がんしていたのだと思います。それから、体温を昼間でも努めて測るようにしておりました。昨年の夏ごろからは、体温低下、特に夜中急激に体温が低下することは、なくなったものの、昼間、足先が冷たくなったりするのが気になっております。並行して、のどの粘膜が薄くなっているのに気づいていました。耳鼻科へ頻繁に通い、見てもらっていましたが、歯を全体、セラミックに変えられたことが第一の原因と思います。のどの粘膜がうすくなっていて、毎日のように喉を鏡で見ておりまりました。昨年の1月頃、のどを見たくない状態になり、しばらく1、2週間くらいでしょうか、見ないでいたところ、膿(膿腺ですか?)が八の巣のようについて、はじめは、片方の口蓋扁桃腺がキラルな状態といいますか、そりたったような状態になり、それからすぐにもう片方も穴があいて、そりたったような状態になり、私は、口の中を見るのが、恐ろしくて・・・。で、その状態の時に、耳鼻咽喉科に行ってみてもらっていたらよかったのですが、仕事で行けずに、その後、耳鼻科で見てもらったところ、「なんかになりよったね。こがんならんごとしとかんばやった。」と言われました。

片方の血行が悪いのか、左側に膿がつきやすく、それを医療用の固い耳かきのようなもの(救急箱にはいっていたもの)で、膿を自分で出していたので、それが原因で、ぼつぼつ扁桃腺に穴があいたような状態になっています。粘膜が、薄くなってきてから、昨年の年末から、1月頃、右側の口蓋扁桃腺から、膿腺の大きな塊がでてきて、それから、しばらくして、反対側からもでてきました。耳鼻科の先生に言ったところ、それは、口蓋扁桃腺表面で反応しているから、と言われるだけでした。歯科では、こういうふうに、全体した院長先生は、逃げたようにして、よくみてくれずに衛生士の人に見せていました。それから、他の歯科でみてもらったところ、耳鼻科でもいわれましたが、左側が潰瘍になる前、とにかく、今、がんになる前とかいわれます。

膿腺は、1か月に一度くらいのペースで、出る感じでしたが、右側の口蓋扁桃腺からは、2センチくらいの大きさの塊がでてきて、穴が開いた状態です。検査とかしてもらわなくても大丈夫なのでしょうか?昨年の春ごろ、受信した内科の医院の先生に、首のあたりが痛くてと言って受診した時に、「なんかになっているのかな?診ていこう。」と言われた時にずっと診てもらっていればよかったと、思いますが、医者の受診の仕方もいろいろ考えております。内視鏡とかで、口の奥のほうを一度見てもらったほうがよいと思っていますが。左首のあたりが痛いのは、口蓋扁桃腺に膿がついていたいのだと思いますが、どうでしょうか? 歯科の先生が、自分が全体したから、と、思われているそうです。私も、だからこのような状態になっているのだと思います。

なんかになっているのかな、と耳鼻科の先生も「歯がね。」と、受信するたびに言われていました。今年の冬は、仕事せずに、ゆっくりしているので、風邪等で病院へかかってはおりません。 衛生士さんに聞くと、院長先生が、「入れ歯にするつもりやった」と。 こうなった件で医療相談センター の弁護士にも相談に行きました。歯科には、どのように責任追及すればよいでしょうか?

また、検査等、医者の掛かり方など教えていただけないでしょうか?よろしくお願いいたします。

回答:口腔内科 樋口均也

「口の状態がただれたような感じ」「前歯も、歯間が開いてきて」「入れ歯にするつもりやった」という表現から、歯周病が全体的に進行して歯にガタが来ていると考えられます。このような場合は歯周病に対するさまざまな治療のあと、人工的なクラウンやブリッジなどのかぶせもので歯を固定する「歯周補綴」という治療を行いますので、おそらくこのような治療を受けられたのだと思います。

一方、同時期から口やのどの乾燥、粘膜の不調、膿検などの症状が出てきたようですが、それらと歯の治療との関係についてはよくわかりません。しかし、おそらくあまり関係がないと思われることから、口やのどの不調について歯を治療を行った担当医の責任を追求することは、きわめて困難であると思います。

義歯とはクラウンかラミネートベニアのことと推測しますが、奥歯を含め治療が適切であったのか、また説明が十分であったか否かについては、メールの内容からは判断できません。治療を行った先生とよく相談するか、あるいは他の歯科を受診してみることをお勧めします。

歯の問題についてはかぶせ物(補綴)や歯周病について詳しい歯科医、中でも歯周補綴の専門家にかかるのがよいと思います。また、口やのどの不調については耳鼻咽喉科や口腔外科、あるいは心療内科や漢方を得意とする先生に診てもらうとよいでしょう。

クレイジーリッチ

ホノルルからの帰りの飛行機で『クレイジーリッチ』を見ました。東南アジア、東アジアにネットワークを広げる由緒ある華僑の生活を描いたラブロマンスです。昨年公開された時から見たいと思っていた映画だったのですが、想像通りの楽しい映画でした。

邦題は『クレイジーリッチ』ですが、画面には『Crazy Rich Asians』と表示されたので、おやっと思いました。原作の本もアメリカ公開時のタイトルも『Crazy Rich Asians』ということで、日本公開に際して配給会社がAsiansを省略したようです。その方がヒットしやすいと判断したようです。その理由を考えてみました。

1.れっきとしたハリウッド映画ですが、Asiansを入れるとアジア映画と間違われてします。アジア映画は観客動員力が弱い。

2.この映画は華僑の華麗な生活とラブロマンスの二つの見所があるが、配給会社はラブロマンスを前面に出したかった。そのため、Asiansを省いた。

3.タイトルは短くすればするほどインパクトがある。タイトル中の3単語のうち、インパクトが強い二つに絞った。

まあどれが正しいのか、別の目論見があるのかはわかりません。しかし、私のとってはAsiansが付いている方がさらに魅かれたと思います。華僑やインドのマハラジャ、アラブの王族などの生活を除いてみたいという好奇心に駆られるからです。ヨーロッパやアメリカの富豪の物語は既視感があり、Asiansほどは魅かれません。ヨーロッパの名作やハリウッド映画をたくさん見て来たせいでしょう。

世界の多くの国で現代通りにAsiansが付いています。舞台となったシンガポールや中華圏の国々でもそうです。Asiansが省かれているのは日本、ドイツ、イタリアのみです。なぜ、ここで三国同盟が復活しているのでしょうか。

https://warnerbros.co.jp/movies/detail.php?title_id=54615

Q&Aセカンドオピニオン

セカンドオピニオンのよい点は?

セカンドオピニオンをとることは、患者様ご本人にとって様々なメリットがあります。 たとえば、他の医師にセカンドオピニオンを求め、結果として元の主治医の診療方針がよかったということになれば、安心して治療に臨めるはずです。一方で別のよりよい治療法が見つかった場合には、誤診を避けられるかもしれません。また、病気や治療方法に関する知識や患者様の理解が深まれば、治療を担当する医師との信頼関係を築くことにも役立ち、より満足度の高い治療を受けられるでしょう。

セカンドオピニオンはいつ、 どうやってとればいいの?

.セカンドオピニオンは、担当医から病名を診断されてから治療がスタートするまでの間にとりましょう。一度受けた治療を元には戻せないため、「治療前」が基本です。はじめのステップは、患者様ご本人が担当医に申し出ることです。

セカンドオピニオンに必要なものは?

前の医師の紹介状や検査データが必要となります。検査成績を添えると検査の重複を避けることができ、時間の無駄も防げます。また、これまでの治療経過などをメモ しておくことをお勧めします。

歯科領域のセカンドオピニオンとは?

歯科ではよく、「この歯は抜かないといけません」といわれます。ところが、そういわれてもなかなか納得できない場合もあります。「どうしても抜かなければならないのか?」という疑問を抱えたまま、抜歯に臨むのは不本意なはずです。また、矯正治療なども含め、歯科における治療方法はひとつではありません。そのためにもセカンドオピニオンをとり、患者様にとってよりよい、より納得のできる治療を受けられることをお勧めします。

歯科医師臨床研修修了祝賀会

1年間の臨床研修を終えた大阪大学歯学部の新人同窓生に集まってもらいました。会場は大阪大学中之島センターです。午後2時から5時までは先輩同窓生が半生を振り返って後輩に人生訓を授けました。疾患、治療に関する話を聞く機会は多いのですが、それまでの人生について聞く機会はこの時しかありません。今回は初めて登場する先生が二人いて、楽しく聞けました。

「女性歯科医師の立場から 臨床研修を終えた皆さんへの提言 卒後34年のこれまでとこれから」
島袋美千代先生

「専門性を高めた開業歯科医師の立場から,研修修了した皆さんへの提言」
木ノ本喜史先生

「さまざまな可能性を持つ皆さんへ」
岸野万伸先生

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白板症について教えてください。

相談: (30歳 女性)

よろしくお願いいたします。白板症についておうかがいさせてください。

1.切除後経過観察は一般的にどのぐらいが目安なのでしょうか?

2.心配されることは白板症の再発なのでしょうか?それともがんの発症なのでしょうか?

3.接触による感染などはあるのでしょうか?

4.遺伝の可能性はあるのでしょうか?

回答:口腔内科 樋口均也

1.口腔ガンでは一般的に最低5年間は経過を観察しますが、実際にはそれ以上経過観察を行っています。白板症の場合は、それに準じて5年間が目安になるでしょう。

2.白板症の再発自体は大きな問題ではありませんが、白板症からガンになる場合があるため経過観察を行います。

3.接触による感染はありません。

4.遺伝性の病気の場合は、メンデルの法則に従って親から子へと病気が受け継がれますが、白板症はこれに該当しません。つまり、遺伝性の病気ではないということです。ただし、白板症になりやすい体質(遺伝形質)が受け継がれる可能性はありますが、確認には至っていません。

パン粉

ハワイのスーパーマーケット「DonQuijote」は日本の食材が取り揃えられています。「PANKO」が売られているのを見て、おやっと思いました。どうやらパン粉は日本独自のもののようです。オーストリア人やイタリア人はウィンナー・シュニッツェルやコトレッタ・アッラ・ミラネーゼをパン粉なしでどのようにして作るのでしょうか。

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舌の周りに歯型がつきます

相談: (52歳 女性)

舌の周りに歯型がつきます。一時のことではなく、気が付いてから3年は経つと思います。診察は受けた方がよいでしょうか。

回答:口腔内科 樋口均也

舌の周囲が凸凹している状態であれば歯型かもしれませんが、腫瘍など別の問題の可能性もあります。その観点からも、一度診察を受けられることをお勧めします。

歯の型は舌圧痕や歯痕と称され、原因は舌が大きい場合、歯並びが悪い場合、そのいずれでもない場合があります。

舌が大きいことを巨舌症といい、歯の上に舌が乗って歯痕がついてしまいます。リンパ管腫や血管腫、成長ホルモンの異常などの問題がある場合には、それに対する治療が必要ですが、特別な病気ではなく単に舌が大きすぎるケースもあります。その場合は舌縮小術を行います。

また、下顎骨の発育が悪くて小さい場合や幅が狭い場合は歯並びが悪くなり、舌に歯痕がつきやすくなります。その場合は矯正治療や舌の機能訓練を行います。

ただし実際には、舌の大きさや歯並びに異常がないのに歯痕がつくというケースがほとんどです。原因は歯ぎしりや食いしばりで舌を歯に押し付けるためで、舌の力を抜いてリラックスし、夜間にナイトガードという装置を使用する方法が効果的です。

漢方医学(中医学)では気虚や水滞になると歯痕が生じるとされ、特に脾胃の気虚でその傾向が強くなります。脾胃の気虚とは消化機能が低下した状態と解釈され、補気剤や人参剤などの漢方薬の内服で改善することができます。

外傷歯の断髄

外傷により歯が破折して歯髄が露出すると、何らかの歯髄処置が必要になります。受傷した瞬間に治療できるのであれば、直接覆髄が可能ですが、そんな状況はまずありません。受傷後ある程度時間が経ってから治療を始めることになるので、断髄か抜髄を選択することになります。乳歯や根未完成永久歯、根が完成して間もない永久歯の場合は断髄を選びます。

断髄は露髄面のすぐ近くか、根管口部か、根管内のいずれかの位置で行います。露髄面付近で断髄できればそれに越したことはありませんが、歯髄のダメージや炎症が深部にまで進んでいる場合は他の位置で断髄せざるを得ません。

断髄可能な位置の見極めは断髄面が容易に止血できるかどうかで判断すると、仲野教授は述べました。歯科用マイクロスコープで断髄面の観察ができれば、さらによいと思います。

 

珈琲舎・書肆アラビク

中崎町の駅から近い古書と人形とコーヒーのお店に行きました。何とも言えない不思議な空間でした。